お金のこと | 2024.08.02 最近では世界情勢の影響などであらゆる物価が上がり、何を買うにも「高くなった」と感じることが多くなっています。さらに値上がりは物だけでなく、電気やガスなどの光熱費にも及んでいるため、家づくりの際には建築費だけでなく、家を建てた後もかかる生活する上で必要なコスト、つまりランニングコストを心配される方が増えてきています。10年ほど前はランニングコストを抑える方法として、オール電化の採用や太陽光発電システムの導入などがありましたが、最近はオール電化が必ずしもランニングコストの削減につながるとは言えない状況になっています。また、太陽光発電による売電価格も当初は42円/kWhでしたが、現在では16円/kWhと1/3程度まで下がってしまい、イニシャルコストやメンテナンスコストを考えると、太陽光発電システムだけではあまりメリットが生まれません。このように、これまでの方法ではランニングコストを抑えられなくなっています。そこで太陽光発電を活用してランニングコストを抑える最適な方法をご紹介します。1|太陽光発電で得たエネルギーを家の中で最大限に使用する太陽光発電は「売電」という点に着目すると売電価格が下がり、長い目で見てもメリットは少なくなっています。しかし、太陽光発電には大きなメリットが一つあります。それは「自家消費ができる」ということです。自家消費とは発電した電力を家庭内で消費することを言います。太陽光発電の売電とは、単に発電した電力をすべて買い取ってもらうわけではないのです。 発電量-発電中に使用した電力=余剰電力(売電) 「発電中に使用した電力」は、そのときの発電量を上限に、電気代から差し引かれて請求されます。これが太陽光発電の大きなメリットになります。先ほど述べたように、余剰電力の売電価格は現在16円/kWh程度です。しかし、電気代として請求される金額は、ご家庭や電気の契約内容によって異なりますが、関西エリアでは30~40円/kWhが相場です。売電では16円/kWhの効果しかありませんが、太陽光発電で発電中に電気をできる限り使用することで倍以上の効果を得られます。これが一つ目の方法、太陽光発電システムで得たエネルギーを家の中で最大限に使用するということです。2|家の設備を省エネ化する太陽光発電で得たエネルギーを最大限自家消費で使用するために、家の中で大きなエネルギーを使う設備機器の使い方を検討しましょう。大きなエネルギーを使うものとは「熱」を発生させるものです。特に大きなエネルギーを使う設備の一つとして「給湯器」が挙げられます。ご家庭で消費されるエネルギーのうち、約3割が給湯に使われています。つまり給湯器で消費するエネルギーを太陽光発電で得たエネルギーで賄うことができれば、光熱費を下げることが可能となるのです。少し前までは、電気給湯器はオール電化に対応するために、電気料金の安い深夜帯にお湯をつくり、貯湯しておくというものが主流でした。しかし、最近は太陽光発電による自家消費に対応した、日中でも貯湯ができる太陽光発電を利用してお湯を沸かす給湯器「おひさまエコキュート」という商品があります。太陽光発電システムと合わせて、このような設備を導入することで電気代を下げることができます。電気給湯器では湯量が気になるという方は、ガスと電気の両方を利用するハイブリット給湯器がおすすめです。おひさまエコキュートと同様に日中は電気のエネルギーを利用して貯湯し、湯量が足りなくなったらガスエネルギーを利用して必要なお湯を瞬時に供給できます。これが二つ目の方法、家の設備を省エネ化するということです。ランニングコストに対する効果は太陽光発電システムの容量や給湯器によって異なりますが、電気代が年間数万円変わってくることもあります。イニシャルコストは多少かかりますが、太陽光発電システムの導入にはリースプランなどもあるため、気になる方は一度検討してみてはいかがでしょうか。まとめポイントは上記2つの方法を組み合わせて行うことです。太陽光発電で得たエネルギーの自家消費の方法は他にもあります。電気タイプの乾燥機は、日中の太陽光発電時間に使用することで電気代を抑えることができます。また、ペットと暮らしている方は、日中エアコンをつけたまま外出することも多いため、空調代を抑えることにもつながります。ランニングコストは後から計画することが難しい場合もあるため、家づくりの際にぜひ一緒に検討してみてください。