テクノロジーのこと | 2020.04.13 最近では「高気密・高断熱の家」が当たり前になってきていますが、高気密・高断熱の家は窓を閉め切っていると呼吸や臭い、家具などから出た化学物質などによって汚れた空気が室内にこもりやすくなります。もし汚れた空気が室内に溜まってしまうとアレルギーの原因となることもあり、さらに二酸化炭素濃度が高くなると集中力や記憶力が衰えてしまうとも言われています。そのため、特に気密性の高い建物では、室内を「良い空気環境」に保つために換気システムなどで強制的・自動的に室内の空気を入れ替えることが重要です。そこで今回は高気密・高断熱の家に適した換気システムについてご紹介します。高気密・高断熱の家に最適な換気システムとは日本では建築基準法により、24時間換気設備の設置が義務付けられているため、2003年以降に建てられた新築住宅には必ず換気システムが設置されています。そして、換気方式には大きく分けて3つのタイプ(第一種、第二種、第三種)があります。住宅では一般的に吸気は自然に任せて、排気は機械によって強制的に行う「第三種換気方式」が採用されています。第三種換気方式は低コストで計画換気ができることが特徴ですが、窓の開閉や間取り等によって換気ムラが起こる場合があります。そのため、高気密・高断熱の家には、吸気・排気ともに機械で行う「第一種換気方式」がおすすめです。第一種換気方式は第三種換気方式に比べて換気ムラが少ないことが特徴で、間取りや窓の開閉等にあまり影響を受けずに計画的に換気ができます。さらに、吸気と排気を機械で行うことにより、排気と吸気の量を調整することができます。春や秋の花粉が気になる季節では、気圧を調整し、空気の流れで室内に花粉などが侵入することを抑えることができるため、花粉症の方にはとても嬉しい機能です。また、換気による冬場の過乾燥も防ぐことができるので、お肌の潤いを保つ空気環境に整えてくれるメリットもあります。第一種換気+熱交換気でより快適に高気密・高断熱の家を検討されている方には、当社でも標準採用している室内の温度を保ちながら汚れた空気を新鮮な空気に入れ換えられる第一種換気方式の「熱交換型換気システム」がおすすめです。一般的な換気システムでは換気する際に外気がそのまま入ってきてしまい、冬場に室内をせっかく暖かくしていても、吸気によって外気の冷たい空気がそのまま入ってくるため、エネルギーロスや室内の温度ムラの発生につながります。しかし、熱交換型であれば、冬の外気(冷たい空気)と内気(暖かい空気)の熱だけを交換し、少し暖かくなった空気が吸気され、少し冷たくなった空気が排気されるため、エネルギーロスや温度ムラを抑えることができます。それは冷暖房費の節約や、延いては快適な空間環境によって健康でいられることによる医療費の抑制にもつながります。家を建てた後に、第三種換気システムから第一種換気システムへ変えるには大がかりな工事が必要です。そのため、これから家づくりを検討される方は耐震性や断熱性と合わせて、換気システムについても意識しながら進められるといいでしょう。