南斜面の丘陵地に建つ住宅です。はじめて敷地を訪れたとき、車の腹を擦るぐらいの坂道に驚かされました。しかし、敷地に着くとお施主様がこの地を気に入られた理由が分りました。東側は道路を挟んで山並みが臨め、南側は視線を気にせずオープンにすることができ、2階からは限られた範囲ですが海を眺めることができる環境でした。1階は南側に面してリビング、キッチン、浴室をオープンに設け、それを囲むようにウッドデッキと植栽を配しました。2階は寝室を建具なしで緩やかに分節した空間です。居室の窓からはどこにいても自然を感じることができます。この住まいが庭の樹木とともに末永く在り続け、山並みの穏やかな風景の一部として調和することを願っています。