敷地は美しく区画整理された住宅街にあり、北西と南東の二方道路に接しています。北西側は緩やかな勾配、南東側は歩車道と1メートル程度の高低差があり、北東側に隣家、南西側にも将来住宅が建築予定にある環境です。ご家族はこの場所に光が溢れ、周囲を気にせず暮らせる住まいを望まれました。まず、北西側前面道路に沿った勾配の高低差を考慮し、段差を極力抑えて玄関にアクセスしやすいよう高い位置に玄関を設定し、低い位置には駐車場スペースを計画しました。次に、光の入り方を考慮しながら周囲の家や歩行者からの視線が気にならないよう圧迫感を抑えた高い壁で囲った庭を南側に設けました。そして、庭を囲むようにLDKを配置し、リビングに吹抜けをつくり、安心して十分な光を取り込むとともに、中庭から室内へ風が立体的に流れるよう窓の位置を決定しました。2階は閉鎖的にならないよう吹抜けを介してリビングとつながる書斎スペースを配置し、各居室と水まわり、2階で洗濯が完結できるようインナーバルコニーでまとめました。施主様が当初からお持ちでしたインテリアの明確なビジョンが建築と美しく調和し、彩りある住まいとなりました。
LIXILメンバーズコンテスト2019/敢闘賞[LIXIL主催]