無機質な都会の街中に現れる、鈍く光る燻し瓦。鉄格子の隙間から木々が垣間見え、門を開くと、小さな静寂を湛えた坪庭が迎えてくれます。敷き瓦の小径を通り広い玄関へ。そこは坪庭を眺めながら靴を脱ぎ、少し体を休めることのできる場所です。建物に採り込む光を坪庭に限定し、その床に敷いた瓦が光と影を調節することで、和建築の持つ静寂さを表現しています。1階部分には五右衛門風呂、露天風呂、サウナを配置。それぞれの部屋から落ち着いた光に照らされる緑を望み、都会の気配を感じさせない静かな湯浴みの空間としました。2階の居間と和室では、椅子座と床座の両方から坪庭の樹幹が揺らぐ様子を眺めることができます。3階には寝室を配し、大人数の宿泊にも対応しています。都会のただ中で光と影を整え、深い静寂を紡ぎ出す、現代の「庵」です。